2015-01-01から1年間の記事一覧

アウトローな法律の使い方

日本の法律では、ナマの力をもって勝手に権利を行使する「権利の実現」は禁じられています。これを我々法律家は「自力救済の禁止」と呼びます。もしそれをやってしまうと窃盗罪とか、暴行罪とか、住居侵入罪とか、ケースバイケースでいろいろな犯罪が成立す…

護送船団行政の破綻で没落

「非公開の金融情報」を限定した企業に提供する、とのうたい文句で会員に誘い、会員の金融機関から一社当たりなんと年間三〇〇万円もの寄付金を会費として納めさせてきた。このような超高額の寄付金を要求できたのも、同基金が監督権を持つ大蔵省によってつ…

売買の裏付けがあって初めて確認される価値

日本では株式市場がいま一つ効率化されていません。そのために、資源配分が最適化されず、経済が目一杯拡大しないというのは、われわれ国民全体にとって不幸なことです。しかし見方を変えてみますと、このような市場だからこそ、あなたは「儲かる株」を見つ…

得点法の人事評価

六十代の人々の雇用労働への参加率は近年わずかではあるが、むしろ上昇の気配を見せている。これは人々の就業意欲があるところに、企業の高齢労働力活用への志向性が少しずつ高まっている事を示唆しているのかもしれない。五十代の後半から六十代の人々の活…

経済学の常識

日本の税制は、退職給与引当金にみられるように、伝統的な製造業(なかんずく重厚長大産業)に対して多くの特典を与え、税負担を軽減している。しかし、その半面で、ソフトウェアや情報関連の事業や投資に関しては、あるべき水準より重い税負担を課している…

自由な市場の機能維持

米国式経営文化は市場メカニズムへの強固な信仰の上にあるが、これは秩序を守り、調和を重んじる我々の伝統文化と対立する。忘れてはならないのは、市場メカニズムは効率的な資源の配分に不可欠であるが、ときに暴走することである。市場の健全な機能と社会…

あきらめは禁物

現在の研究テーマである「ヒトの人工染色体形成」は、八三年に名古屋大の教授になった時から取り組んでいるものです。人間の染色体を人工的に作る研究で、藤田保健衛生大に移った今も続けています。遺伝子の本体のDNAは細胞内では「染色体」の形で存在し…

上司や他の部局との人間関係

国連職員は、事務次長、事務次長補以下、部長にあたるD2、部長代理にあたるDI、課長にあたるP5、中堅のP4、P3からPIまでの等級に分かれている。勤務評定は二年に一度、課長以上の管理職がまずAからEまでの五段階で考査し、上司が決定する。普…

アメリカ人の理想として描かれつづけてきた独立自営農民

このような都市の人間像は、純朴で正直な独立自営農民のイメージと、まったく対照的であった。ジェファスン的基準でいえば、都市の人剛は国民の「不健全」な部分であり、その「不健全」な部分が、こんなに増加したのはアメリカがそれだけ「腐敗」したことを…

「金より人間」の日本の価値観

実際、営業時間の自由に対して制限を加えようとする動きが長野県で始まっている。ニ四時間営業をしている事業者の営業時間の短縮加温室効果ガスの排出の抑制に効果があるとして、二〇〇七年三月、「地球温暖化対策条例」を施行させ、知事が二四時間営業の事…

弱者を利用する強者の論理

沖縄の社会は、憂うべき、情けない状況を呈している。人びとが生き方の指針として日常的に口にしてきた「命どう宝」(命こそが一番大事)というズロい言葉が、いつしか「銭どう宝」(お金が大事)に変わりつつあるからだ。この世は、お金がなくては、生きて…

実学の思想

先に、新聞記者はフリーライターにせよと主張したが、大学教授も時間講師にして、一時間当たりいくら、という時給制にしたらどうか。カントやヘーゲルも元は学生からの聴講料だけに依存する私講師だった。そうすれば大学教授が政府の審議会やマスコミ稼業に…